おうちで療養する「在宅医療」

病気を持ったまま「おうちで過ごす」

在宅医療のいま

「在宅医療」は外来・入院に次ぐ「第3の医療」と呼ばれ、いま在宅で療養する人たちが少しずつ増えています。
その理由はいくつかあります。

  • 医療機器がコンパクトになり、在宅で可能な治療や検査が増えた
  • 医療介護に関する多職種の訪問が可能になった
    ※訪問歯科診察、訪問看護、訪問歯科診療、訪問薬剤指導、訪問栄養指導、訪問リハビリテーション、訪問歯科衛生指導など
  • 在宅医療を積極的に行なう診療所も増えており、在宅医療の質が上がっている
  • 在宅医療の医療・福祉・行政の地域連携が推進されている
  • 体制が整った地域から「在宅医療」が選択肢のひとつとなり、「最期は自宅で過ごしたい」という本当の希望を口にする人が増えつつある

2004年の調査によると6割の人々が自宅で最期まで療養することを希望しています。
しかし、そのうち6割強の人々が、
1) 介護してくれる家族に負担がかかる
2) 症状が急変したときの対応に不安がある
といった理由から、実現困難であると思っており、そのため本来の希望を口にできなかった方も多かったと思われます。

自宅で最期まで療養することが困難な理由(複数回答)

「終末期医療に関する調査等検討会」報告書(2004年)

「できれば自宅で最期まで療養したい」と希望している方々が、心配せずに在宅医療を選べるようになるための努力が行われています。

  • 家族の介護負担を減らすために、介護サービスを充実させる。
  • 家族が出かけたり休んだりする時間を確保する「レスパイトケア」を充実させる。
  • 急変時、24時間365日対応できる在宅医療の体制をめざす。
  • 今後の病状の変化予測について事前に家族とコミュニケーションを取る。

その他、さまざまな試みが行われています。

そのため、高度経済成長と共に病院での看取りが増えて現在は8割近い方が病院で亡くなっていましたが、ここ最近、在宅医療を選ぶ方が少しずつ増えつつあります。

医療機関における死亡割合の年次推移

諸外国における平均在院日数と人口千人当たり病床数

平成19年厚生労働省白書より

単に1970年以前の状態に戻るのではなく現在の高度な医療と充実した福祉サービスを受けながら、最期まで自宅で過ごすことができる体制づくりが進められています。

日本の医療体制は世界的に見ると「人口あたりの病床数」や「平均在院数」が突出しており、「病気になると自宅にはいられないのが当たり前」という一種の不自然な状況をうみだしていました。


日本は他先進国に比べて「人口あたりの病床数」が多く、「平均在院数」が長いのが特徴です。
そのため国としても在宅医療を推進する方向にあり、2006年には在宅療養支援診療所の制度(24時間365日対応で在宅医療を行う診療所を認定する制度)ができるなど、在宅医療の充実が政策的に進められています。
多くの人が生活の場から離れて病院で最期を迎えていた社会から、急性期病院と在宅診療医や福祉事業者の連携に支えられながら自宅で療養していく社会に変化しつつあるのです。

諸外国における平均在院日数と人口千人当たり病床数

諸外国における平均在院日数と人口千人当たり病床数